病とともに生きてきた人生を
最期までその人らしく。
慢性疾患を持つ人は、病とともにある生活で生じる様々な出来事に対処し、生きてきた経験をもっています。たとえ、病が進行し、身体が思うようにいかなくなることがあったとしても、その人がその人らしく生ききることを支えるために、私たち看護師の役割を考えてゆきたいと思います。

ごあいさつ

 呼吸不全、心不全、腎不全といった臓器不全に至る疾患(非がん疾患)は、医療技術の進歩により余命延長をもたらしました。その一生は、治療と縁が切れることなく、合併症や併発疾患が発症し、生活の自立が難しくなることもあります。人は皆、やがて死を迎えることは避けることができないのですが、治療を一生必要とする慢性疾患患者さんに、その人らしい最期を迎えるケアのタイミングを図ることは難しいのが現状です。延命治療の是非の議論にもありますが、長く医療ケアとともに過ごしてきた慢性疾患患者の方々に、医療ケアが最期までQOLに貢献するものであるようにしていくことが大切です。
 慢性疾患を持つ人は、病状の増悪をきっかけに病院に入院し、一般病棟で最期を迎えることが多いと思います。看護師は、多忙な業務の傍ら、患者のケアに不全感を感じることも多いのではないでしょうか。
 長く病とともに生活してきた人たちは、今まで培ってきた自分なりの療養スタイルをもっていることが多く、時に、個性的で、かかわり方が難しいと感じることもあるでしょう。一方で、自分なりに病とともに生活してきた人として、強靭な精神力や生活の知恵や工夫に驚かされることも多いです。長く慢性疾患をもって生きてきた、その人らしく最期まで一人の人間として尊厳ある生を全うするには、看護師の力が不可欠です。
 このページは、エンドオブライフ期慢性疾患患者のケアに関する情報を、研究や社会情勢の情報から発信していきたいと思います。よりよいケアが現場で生まれ、つながっていくことを願い。

ロゴについて

3つの線で描かれたEは、End of Life, Excellence, Expertise です。長く病と共に生き、人生の終盤にある患者さんはいわば療養の達人です。このような方々に対して、看護者もあきらめないでくろうと志向で技を磨く、すると、ケアがここちよい風にのって相手に届く、そんなイメージを表しています。

お知らせ

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サイト管理者 谷本真理子(東京医療保健大学・大学院)